トップページ > 製品情報 > Tablet*Cart Series > 導入事例 > 宮城県教育委員会 山下 学 様/宮城県登米総合産業高等学校 千坂大輔 教諭

Tablet*Cart Series

Tablet*Cart導入事例
Tablet*Cart Series
Case Study
導入事例
USB-Haco10
宮城県教育委員会 教育企画室
情報化推進班 主幹兼企画員 山下学 様
宮城県登米総合産業高等学校
情報技術科 千坂大輔 教諭

本当に使える“ICT環境”と、現場を支える“人”でつくる、
宮城県教育委員会のICT活用「MIYAGI Style」が本格始動

宮城県教育委員会は、新学習指導要領の実施と「個」に応じた学びの実現に向けて整備を開始し、2018年度にはiPad約950台を県立学校に配備しました。「MIYAGI Style」と呼ばれる教科指導へのICT活用モデルを築き、それを推進するための教員を「MIYAGI Styleスタイリスト(以下、スタイリスト)」として任命するなど、独自のICT運用を進めています。また、ICT環境整備に関しても、初期コストを抑えつつ、現場のニーズに合うものを重視しました。弊社のUSB-haco10もそのひとつとして採用され、宮城県のICT教育に活かされています。


宮城県教育委員会は、どのようにICT環境整備を進め、USB-haco10を使用しているのか。宮城県教育庁教育企画室 情報化推進班 主幹兼企画員 山下学氏と、宮城県登米総合産業高等学校 情報技術科 千坂大輔教諭にお話を伺いしました。

MIYAGI Styleとは

教育の情報化の3つの分野「情報教育」「教科指導におけるICT活用」「校務の情報化」のうち、「教科指導におけるICT活用」における提案。Miyagi ICT Youth Approach Growing with Innovation Styleの略であり,「児童生徒のためのICTによる授業改善」という意味が込められています。


大分県庁
段階的に進めるICT環境整備。まずは教員が一斉学習で使えるものを
宮城県教育委員会 山下学 様
MT-planning鈴木(以下鈴木):

今日はお集まり頂きありがとうございます。今回は宮城県がこれまで進められてきた「MIYAGI Style」について、導入や実際の活用のお話を聞かせてください。まずは、ようやく「MIYAGI Style」に関わる機器導入が正式にスタートしましたね。

宮城県教育委員会 山下様 (以下、山下様):

そうですね。第一歩ですが、非常に良いスタートを切ることができたと考えています。

限られた予算でしたが、本当に使ってもらえるものを現場のニーズに合わせて、それなりの規模感を持って導入できたと思っています。

MT-planning三ヶ尻(以下三ヶ尻):そもそもの話なのですが、ICT環境の整備っていつから始められたんですか?

山下様:平成26年より準備/検討を開始しました。その年に宮城県では情報化推進班を設けてICT整備を進めることになりました。もちろん、これは新学習指導要領の実施に向けた動きなのですが、宮城県としては、それだけじゃなくて、やっぱりICTを入れるなら、そのメリットを活かして、将来的には個々に応じた学びができる環境を実現していきたいと考えています。ICTの準備としては、平成27〜28年の2年間に導入のための検証事業を設けて、県内6校の高校で実証実験を行いました。その結果、ICT活用に手応えが得られたので、平成30年度から本格実施となったというわけです。

宮城県教育委員会 山下学 様

鈴木:具体的には、どんなICT環境を整備されたのですか?

山下様:実際の整備はこれから段階的に進めていくのですが、まずは県立学校の普通教室と一部の特別教室に無線LANを整備しました。これによって、教員と児童生徒のBYODが可能な環境になりました。また、プロジェクタは普通教室等の常設の他、移動式とあわせて約680台を導入し、プロジェクタを常設した教室には、映写兼用黒板も設置しました。タブレットはiPadを約950台導入して、県立学校に配備して、そのiPadを管理するためにMacBookとUSB-haco10を整備しました。

三ヶ尻:いまだとタブレット導入は、いろいろな機種が選べるかと思うのですが、iPadを選ばれた理由って何ですか?

山下様:それは、平成26年〜27年の検証事業で、教員にとってiPadが一番使いやすいと判断したからです。というのも、宮城県のICT整備は、「一斉学習」「協働学習」「個別学習」という、3つのステップを設けて進めていて、今回の整備は第1ステップの「一斉学習」にあたるんですね。一斉学習を実現するために必要なICT環境は何かという視点で、タブレットを選びました。一斉学習では、教師が黒板に資料を大きく提示したり、写真や動画を撮影して映写したりする使い方がメインになりますが、それにはiPadが一番使いやすいという声が先生方から多かった。ICTに不慣れな人にもiPadだと直感的に使えますからね。

ICT支援員を配置せず、教員による運用をめざしてUSB-haco10を導入

鈴木:今回、宮城県教育委員会様は、弊社のUSB-haco10を87台導入して頂きました。その経緯を教えてください。

山下様:はい。一斉学習に必要なタブレットとしてiPadの導入が決まったんですが、今度はそれをどう管理・運用していくかが課題となりました。一般的にはMDMを使うケースが多いのでしょうが、コスト面で厳しくて……。あと、宮城県の場合は、第1ステップとして教員が一斉学習でiPadを使うことを想定していたので、MDMで管理する必要はないなと判断しました。

宮城県登米総合産業高等学校

Apple Configurator 2

といっても、MDMを使わない場合でも、各学校ではApple Configurator 2※1を使ってiPadを管理することが必要になります。理想は、ICT⽀援員を配置できればよいのですが、限られた予算ではむずかしかったので、教員がある程度、⾃分たちで管理できるような体制が必要だと思いました。また、たとえICT支援員を配置できたとしても、学校にはたまにしか来ないので、現場でのトラブル対応やアプリのインストールなど教員のニーズにスピード感を持って対応できる教員は学校内に必要だと考えています。

そこで教員がiPadを管理するためのMacBookと USBハブが必要ということになました。導入してみて、やはりiPadを1台、1台、⼿動で管理するのは⼤変なので、作業時間を短縮できるUSBハブであるUSB-haco10は必須だと思いました。

※1:Apple Configurator 2(アップルコンフィギュレーター)— アップルが提供するiOSデバイスの集中管理ツール

宮城県教育委員会 山下学 様

三ヶ尻:Apple Configurator 2の操作って、慣れていない先生にとってはむずかしいと思うのですが、いかがですか?

山下様:そこは、教員向けの研修でサポートしていく予定です。確かに、端末の管理という意味では教員の負担が増えてしまうのですが、Apple Configurator 2で管理するノウハウを教員側に蓄積したいとも考えています。iPadを使えばどのような教育が可能なのかを考えるときに、Apple Configurator 2の知識があるのと、ないのとではちがいますから。

鈴木:宮城県は、ICT活用を推進する先生を「スタイリスト」として選ばれていますよね。これは、どのような先生が選ばれて、どのような活動を行うのですか?

山下様:スタイリストは、教科指導におけるICT活用「MIYAGI Style」を推進するリーダー的な教員のことです。教員のICT活用を広げるために、校内研修や資料作成など中心的な役割を担ってくれる存在ですね。宮城県のスタイリストって、実はICTスキルの高い教員ばかりを選んでいるわけじゃないんですよ。面白い授業をやってみたいとか、意欲を持っている教員を選んでいて、今年度は7名をスタイリストに任命しました。

USB-haco10で実現する、教員の負担軽減と生徒の意欲に応える環境

三ヶ尻:そういう経緯で選ばれたスタイリストが、千坂先生だったというわけですね。千坂先生、先ほどは授業を見学させて頂きありがとうございました。今日の授業について、生徒たちはどのような学習を行ったのか詳しく教えてください。

宮城県登米総合産業高等学校 千坂大輔教諭
(以下、千坂先生):
はい。今日見て頂いた授業は、情報技術科のコンピュータシステム技術です。

宮城県登米総合産業高等学校 千坂大輔  教諭

この授業は、コンピューターのシステム開発に必要な概念や技術・知識を学び、システム開発を体験的に学ぶ教科です。前回までは、開発段階で最も大切な調査、分析について学んできました。

今回の授業では興味あるテーマについてアンケートをとって、その結果を定量化する活動に取り組みました。2〜3人のグループをつくり、アンケートの方法は自由としました。紙でやる班もあれば、Google Formを使う班もあったりとさまざまです。Google Formを使用したグループは集計が瞬時に終わり、紙を使ったグループは授業後も手作業で集計をしていました。このような体験を通して、紙(アナログ)とデジタルのメリットやデメリットに気づいてほしいと思っています。

宮城県登米総合産業高等学校

三ヶ尻:なるほど。実際に体験させて学ぶってことですね。あと、今見せて頂いた授業以外に、千坂先生はiPadをどんな風に使っていますか。

宮城県登米総合産業高等学校 千坂大輔  教諭

千坂先生:そうですね。宮城県のICT環境整備でもお話があったように、今は教員が一斉学習で使うことがメインなので、資料の提示や映写に使うことが多いですね。黒板に映写したプリントにチョークで書き込んだり、写真を見せたりとか。

私の場合は実技を伴う実習も多いので、解説動画を作って生徒に見せています。たとえば、ハンダ付けの解説動画なんかは、手元を撮って、そこに簡単なテロップを入れて説明を付け加えています。出来る生徒はそれを見ながら進められるし、私はつまずいている生徒のサポートに入ることができて良いなと思っています。

あとは、良い回答をした生徒のノートを写真に撮って黒板に写したり、授業中にネットで調べた内容を見せることも多いです。生徒の反応を見ながら、その場で授業を展開できるので私にとって大きな存在です。

鈴木:千坂先生には、USB-haco10を使って頂いていますよね。実際に使われてみて、いかがでしたか。

千坂先生:当たり前かもしれませんが、iPad 10台を一斉に設定できるのって、作業時間が短縮されて、とても効率的です。私の前任校では、iPadを手動で1台ずつ管理していました。それに比べるとApple Configurator 2とUSB-haco10で一度に作業ができるのは、本当に助かっています。また、USB-haco10は小さくてスペースを取らないのもいいです。ラック式のものもありますが、私の場合は、いろいろな場所で設定作業をするので、持ち運びしやすいのは助かっています。

あとは、動作が安定しているなと感じています。他社のUSBハブでは10台のiPadを一度に接続すると、何台か認識しなかったりする場合がありますが、USB-haco10の場合は、そうしたこともなく、すべてを認識して転送速度も速いと思っています。

USB-haco10

三ヶ尻:千坂先生はApple Configurator 2で、どんな管理や設定を行っているんですか?

千坂先生:基本的に教師が使うiPadは、自由に使って欲しいので管理・制限はしていません。生徒が使うiPadは共有で利用することを考慮して、“アカウントの変更を許可しない”、“ホーム画面を変更しない”など、必要最低限の機能制限をしています。もう高校生なので、規制だらけのiPadを与えるのもどうかと思っていて、自分たちで判断しながら使ってほしいと考えています。

つい最近も生徒から「文化祭で動画アプリを使用したいのでインストールしてほしい」と依頼があったんですよ。こういう要望にすぐに対応できるのも、USB-haco10があるからだと思います。ICT支援員に任せきりになると、“じゃあ3日後に来るからそのときね”と後回しになるし、やっぱり生徒の意欲を損なわないためにも、教員がある程度の管理はできた方がいいと思います。

多くの教員を巻き込み、学校間を超えたコミュニティを作りたい

鈴木:iPad を活用した授業では、生徒たちの反応ってどうですか?何か今までと違う変化などはありましたか?

千坂先生:生徒の様子は全然ちがうなと実感しています。今の子供たちって、iPadやスマートフォンは遊ぶものという認識が強いですが、授業中にiPad を使うと“こんな使い方もあるの?”という反応を見せてくれます。これからの社会でやっていくためには、ITツールを活用できることは大切だと思うので、さまざまな使い方があることを知ってほしいです。

宮城県登米総合産業高等学校 千坂大輔  教諭

三ヶ尻:千坂先生から見られて、現在の課題点って何ですか?

千坂先生:スタイリストとしては、学校内でICTの活用を広げていけるかが課題です。外部の研修会で学んだ内容を校内研修で伝えたり、スタイリストの先生方の授業を一緒に見に行ったりしているんですが、まだまだICT活用の魅力を知らない教員も多いです。だからこそ、情報発信・共有を積極的にして、その魅力に気づいてもらい、教員同士の交流を増やしていきたいです。今後も新しいことをどんどん取り入れていけるように、アンテナを高くもっていたいですね。

宮城県登米総合産業高等学校

三ヶ尻:山下さんはどうですか?ここまで宮城県のICT整備を進めてこられて、今の課題って何でしょうか。

山下様:これまでは、何をどう整備するかという視点に重きを置いていましたが、これからはいかに多くの教員を巻き込み、使ってもらうかが課題になりますね。県教委としては、学校で中心となる教員に対する研修と、それ以外の教員が受けられる初心者向け研修の両方を考えています。

Miyagi Style

宮城県ウェブサイト みやぎの「教育の情報化」
iTunes Uコースを公開しました。

また情報共有も非常に重要だと考えていて、宮城県の取り組みをiTunes U※2で見られるように準備を進めています。ほかにも、Office 365※3を導入していますので、教員の交流の場としてTeams※4のようなグループウェアを活かして、学校間を超えたコミュニティを作りたいですね。

鈴木:これからのMIYAGI Styleの発展とスタイリストの方々のご活躍を楽しみにしております。
今日はどうもありがとうございました。



※2: iTunes U — アップルが提供する授業やオンライン講座の管理・支援サービス
※3: Office 365 —マイクロソフトが提供するOfficeクラウドサービス
※4: Microsoft Teams — 「Office 365」で提供されるチャットツール

宮城県登米総合産業高等学校 インタビュー写真



ページトップに戻る